確かな審美眼をもつファッションのプロが、バラエティ豊かなユニクロから “ コレは! ” な逸品をセレクト。今回は、これからの季節に欠かせないスウェット&フリースから、セレクター自身が指名買いした注目の新作、お気に入りの愛用アイテム、そして不動の人気を誇るベストセラーをピックアップしました。目利きのおメガネにかなったのは、果たして?
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ファッションライター
いくら直幸さん
人気ブランドのPR職を経て、伝説のファッション誌『Boon』の編集者に。現在は『Begin』『OCEANS』をはじめ、ティーンからミドル世代までの多くの雑誌やウェブ、広告などで活躍中。
スウェット プルパーカ
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「ここ数年、街ではストリート感のある着こなしが大ブレイクしています。そうした流れから、スウェットパーカでは頭からかぶるプルオーバーのタイプが人気の中心に。とても普遍的で、ブランドごとの差が見えづらいアイテムではありますが、なかでも僕が指名買いしたのがユニクロの新作です。
適度に厚手の裏毛生地や、程良くボリュームのあるシルエットなどポイントは複数ありますが、決め手となったのが今季リニューアルされたポケットの仕様です。以前のパッチポケットからスッキリとしたスラッシュ型へと変更されたことで、さりげなくもファッショナブルな印象になり、1枚で着てもサマになるように。さっそくヘビーローテーションしています」
「今季からポケットが、縫い付け式のパッチタイプから切り込み式のスラッシュタイプへと変更されました。これによりスッキリとした印象になり、ファッション性がアップ。こちらは人気デザイナー、クリストフ・ルメール率いる〈Uniqlo U〉のスウェットパーカにも見られる仕様で、実際にそれを手掛けるパリのチームからのアドバイスを落とし込んだものだとか」
「秋はコーディネートの主役として1枚で着用。ベーシックなアイテムなので、旬のワイドパンツを合わせて今っぽさを加えるようにしています。寒くなってきたら上からダウンベストを。冬の街に映えるビビッドカラーを選んでフレッシュに仕上げたい」
※着用サイズ:L(モデル 身長180cm・体重72kg)
【着用アイテム】
スウェットプルパーカ(長袖)
ワイドフィットテーパードジーンズ ★
ドライカラークルーネックT(半袖)
ウルトラライトダウンベスト
★=一部店舗&オンラインストア限定商品
スウェット フルジップパーカ
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「以前、本連載VOL.18でも紹介しましたが、僕がかねてより愛用しているのがユニクロのフルジップパーカです。トレンドに応じてフィットを見直したり、フードがペタッと潰れにくいよう工夫するなど絶えず改良を重ね、常に最良の一着が提供されています。
僕自身も何度かリピート購入するなかで、そうしたアップデートを実感しました。そして現在販売されている最新版は、従来よりポケットが少し縦長になり、スタイルアップ効果を得られるように。その細かなこだわりが着用時の違いを生み、ベーシックながらも “ 何だか格好いい ” をもたらしてくれるのです」
「僕が愛用しているパーカは以前のタイプですが、最新版ではポケットの形状が縦長に変更されています。これは体型をシュッとスマートに見せるスタイルアップ効果をもたらす工夫で、僕も買い替えを検討中」
「カジュアルなアイテムなので、ラフになりすぎないようにシックなモノトーンでまとめたり、都会的なタートルネックやスラックスで品の良さを。冬も同じく、上から大人っぽいコートを羽織ります。こうしたクラシカルな装いのなか、ヌケ感のあるパーカがハズシの役割を果たし、こなれた印象に仕上がります」
※着用サイズ:L(モデル 身長180cm・体重72kg)
【着用アイテム】
スウェットフルジップパーカ(長袖)
ソフトタッチタートルネックT(長袖)
感動パンツ(ソフトタッチ・ウールライク)
ウールカシミヤチェスターコート
スウェットシャツ
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「多種多様に揃うユニクロのスウェットのなかでも、長年のベストセラーとなっているのが、最もスタンダードなクルーネックのタイプです。不変の定番と思われがちですが、こちらも上述のフルジップパーカと同じく、時代のファッション傾向によってフィットに磨きを掛けるなど、実は進化を続けています。
また、そうした確固たる人気を支えているのが作りの良さです。肌に当たる不快感のない首裏のタグレス仕様や、ネックの型崩れを防ぐを内側の補強布、快適な着心地をもたらすフラットな縫製など、丁寧な仕事が随所に見られます。デイリーかつ末長く付き合いたいベーシックアイテムだからこその、シンプルながらも細かな配慮が行き届いた完成度の高い逸品です」
「首裏のブランドネームは、ボディに直接プリントされたタグレス仕様なので、タグが肌に触れる違和感は一切ありません。また首裏には共生地の補強布が施されており、ネックがヨレにくいのもポイント。さらに各所のステッチ裏は、縫い代が肌に当たってゴロつかないよう、丁寧に処理されたフラットな仕上がりに。いずれも細かな工夫ですが、こうした配慮が快適な着心地やキレイな佇まいに一役買ってくれます。これらは先に紹介したプルパーカ&フルジップパーカにも採用されている共通のディテールです」
「近頃は、ゆったりシルエットのトップスが流行中。このトレンドを取り入れ、本来のジャストフィットより1~2サイズほど大きめを選ぶと、定番的なスウェットシャツをグッと今どきに着こなすことができます。またインにシャツを重ね着して、ハイゲージニットの代わりに使うのも有効。ニットを合わせるよりカジュアルな印象になり、断然こなれたルックスに」
※着用サイズ:左 XXL・右 L(モデル 身長180cm・体重72kg)
【着用アイテム】
スウェットシャツ(長袖)
スーピマコットンクルーネックT(半袖)
ワイドフィットテーパードアンクルチノ
オックスフォードシャツ(ボタンダウン・長袖)
防風ボアフリースパーカ
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「毛足の長いモコモコとしたボアフリースは、引き続き今季もトレンドの素材です。昨年は一部店舗のみの限定で登場し、当初の見込みを上回るスマッシュヒットとなりました。その大好評を受け、今年はデザインをアップデートした新作が全国発売されます。
旬のルックスもさることながら、指名買いの決め手は秘められた機能にあります。何を隠そう、表地と裏地の間に防風フィルムがサンドされた3層構造になっており、フリースの弱点である寒風の侵入をブロックしてくれるんです。また衿が高めに設定されているので首元の防寒もバッチリなうえ、前傾姿勢でも腰が出ないよう後ろ身頃が長めになっているのも嬉しい。特に冬の自転車移動では、頼もしい相棒になるはず」
「表地にはモコモコのボアフリース、裏地には毛足の短い滑らかなフリース素材が使われているので、保温性は文句なし!加えて、その間に防風フィルムが挟み込まれた3層構造になっており、フリースの弱点である寒風の侵入もシャットアウトしてくれます」
「近年のトレンドであり、その豊かな風合いにより存在感もあるボアフリースは、シンプルな着こなしでも十分に魅せられます。またフロントのジッパーを上まで閉じると防寒性が高まると同時に、合わせるインナーも悩まずに済みます。スラックスなどのキレイめパンツで大人っぽさを添えれば、手抜き感ゼロです」
※着用サイズ:L(モデル 身長180cm・体重72kg)
【着用アイテム】
防風ボアフリースパーカ(長袖)
スウェットシャツ(長袖)
ヒートテックストレッチパンツ(グレンチェック) ※10月下旬販売予定
ファーリーフリース フルジップジャケット
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「上に紹介のボアフリースと同様、こちらもトレンドである毛足の長いファーリーフリースが使われています。毛並みが非常に柔らかく、フワフワ&ヌクヌクと暖かい着心地は、まるで上質な毛布にでも包まっているかのように、うっとりするほどの気持ち良さ。
僕も以前から愛用しており、あまりの気持ち良さから色違いで大人買い。冬になると、外出時のアウターとしてはもちろん、自宅でのリラックスタイムにも欠かせません。さらに今年は、これまではなかった霜降り調のミックスグレーも仲間入り。どうやら今季も、新たなカラーを買い足すことになりそうです」
「毛足の長いファーリーフリースは、とてもソフトな風合いと優しい肌触りを味わえ、ヌクヌクと暖かい着心地を実感できます。この至福の気持ち良さを知ったら、ヤミツキになること間違いなし!」
「フワフワの素材感とトレンドの丸みのあるシルエットが相まって、リラックスムード満点の一着は、カーディガン感覚で軽やかに羽織っています。ただ可愛らしくなりすぎないよう、ドレッシーなシャツをラフに合わせて、大人っぽさやエレガンスもちょい足し」
※着用サイズ:L(モデル 身長180cm・体重72kg)
【着用アイテム】
ファーリーフリースフルジップジャケット(長袖)
エクストラファインコットンブロードシャツ(ボタンダウン・長袖)
イージーワイドフィットアンクルパンツ ★
★=一部店舗&オンラインストア限定商品
フリース フルジップジャケット
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「1994年に発売され、アップデートを繰り返しながら親しまれてきた超ロングセラーだけに、皆さんもよくご存じでしょう。特に'98年には日本全国にユニクロの存在を知らしめたフリースの大ブームを巻き起こし、これをキッカケとして世の中にフリースそのものを浸透させた国民的アイテムです。
数あるユニクロのフリースのなかでも基本のモデルとなるこちらは、より軽量で適度な肉感の生地が採用されており、さらに今年は一段とスッキリとしたシルエットに洗練。肌寒くなる今の時季から羽織れて、真冬にはコートやブルゾンの中に重ね着できるなどイン&アウトで使え、秋から冬、そして春先まで活躍します。加えてルームウェアとしてもストレスなく着られ、そのまま外出できるのも魅力と言えます」
「より完成度を高めるべくアップデートを重ね、長年を掛けて辿り着いた毛足の短いフリース素材は、キメ細かく滑らかな肌触りを楽しめ、表情もベルベットのように上品。厚すぎず、洗濯後の乾きが早いのも多くのユーザーに受け入れられているポイントです」
「秋の朝晩や冬の始まりといった肌寒さを感じる季節には、パッと羽織れるライトアウターとして重宝。本格的に冷え込んできたら、中間着としてコートなどのインに挟むと防寒性がアップするだけでなく、上級感のある今年らしいレイヤードスタイルが完成します」
※着用サイズ:L(モデル 身長180cm・体重72kg)
【着用アイテム】
フリースフルジップジャケット(長袖)
クルーネックT(半袖)
ワイドフィットテーパードジーンズ ★
ブロックテックステンカラーコート ★
★=一部店舗&オンラインストア限定商品
【Staff Credit】
撮影:杉田裕一(POLYVALENT)
構成・スタイリング・文:いくら直幸