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平野歩夢 ただひとりの挑戦

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コロナ禍により、全てのアスリートが行動を制限された2020年。
平野歩夢はただひたすら自分と向き合い、その止まった時間を糧としていた。




【着用アイテム】
ブロックテックパーカ(3Dカット)
クルーネックT(半袖)
ナイロンギアパンツ(3Dカット・丈標準72~78cm)
※その他、スタイリスト私物




INTERVIEW

結果ではなく、その先にあるものへ
二十二歳の表現者が描く到達点


ーー初めての沖縄ということでしたが、今回の撮影はいかがでしたか?
「沖縄は1度来てみたいと思っていた場所でした。イメージ以上でしたね。ゆったりとした時間に加えて、本当に気持ち良い気候だったし、海も綺麗で、ぜひまた訪れたいです。今日着た服は、いつもの自分に近いものと、ちょっとタイト目な、あまり普段は着ないような服もありましたが、こういう着こなし方もあるんだと、学びながら撮影を楽しめました」

ーー普段のファッションはご自身でどのように組まれているのですか?
「横ノリの環境で育ってきたので、やっぱりオーバーサイズの着こなしに親しみがあります。ここ最近はより古いものに興味が出てきて、そうした服の組み合わせを考えるのも好きなんです。コーデを考えていたら、いつの間にか1時間経っていた時もありました。特に大会で着る服は念入りに考えます。着る服でモチベーションはかなり変わるので」

ーー11月には、ユニクロとの契約が2周年を迎えました。これまでのユニクロとの様々な取り組みは、平野さんにどのような影響をもたらしていますか?
「より毎日のファッションが楽しめるようになりましたね。ユニクロを着るようになって、自分の理想の服のイメージに近づくことができています。それに初めての経験も多くさせていただき、特にウエアの共同開発は貴重な体験でした。自分なりのイメージや理想を伝えて、ちゃんと汲み取ってもらえたというのは本当に大きなことでした。ユニクロとの様々なセッションを経て、年々自分もこだわりが強くなっているので、自分に変化と刺激を与えてくれる存在として、とても感謝しています」

ーー競技のことについても質問させてください。東京オリンピックが1年延期となりましたが、引き続きスノーボードとスケートボードの両立を続けていくと伺いました。決して簡単な決断ではないと思いますが、迷いなどはなかったのでしょうか?
「もちろん日々迷いや不安はありますし、そうしたものと常に闘っています。それに、迷いがない、というのも変だと思うんです。誰もやってきてないことに挑戦するわけだから、不安になるのは当然です。だからこそ迷いや不安を全部自分の成長の糧にできるように。最近はそういう心境でいられているし、そのポジティブな気持ちを忘れないよう、常に大事にしています」

ーーしかし実際には夏に東京オリンピックが開催されたとして、その半年後には冬季オリンピックが開催されます。とても過密なスケジュールが予想されますが、そこに挑むモチベーションというのはどこから湧いてくるのでしょうか?
「結果というよりは、両方やり続けることで見えてくる、その先にあるものを目指したいと思っています。結果のためだけにやっていると苦しいですよね。特にスケートボードは、自分がスノーボードに費やしてきた時間と同じ時間を全てスケートボードに費やしてきた選手との戦いなので。2つの競技にチャレンジしていく中で、せっかく両方やっているのだから、目に見える結果に加えて、他の選手には持てない視野や過程を大事にしよう、という思いも新たに生まれてきたんです。言葉にするのは難しいんですけど、“負けても勝ったと思える”ような、最終的にそういう所に辿り着ければいいかな、と思っています。そこに向かって挑戦する姿が、子どもたちや未来の誰かのためになると思うんです」

ーー11月のスイス合宿では、2年ぶりにスノーボードのハーフパイプを練習されたと伺いました。感触はいかがでしたか。
「雪の上の方がやっぱりしっくりきますね。10何年とやってきているので、感覚が戻ってくるのも早かったです。それに、スケートボードで積み重ねてきたことが、スノーボードの滑りに還元されているなとも感じました。まだ具体的に説明はできないんですけど、確実にスケートボードに費やした時間は無駄じゃなかったですね」

ーー現在はスケートボードとスノーボード、どちらも練習しているということですが。
「そうなんですけど、両方同時にやるというのは難しいですね。似て非なるスポーツなので違う筋肉を使うし、体力的にもかなり消耗します。疲れ切った身体でじゃあ次はこっちを練習しよう、と切り替えるのは、怪我の不安や精神的な疲労も重なってくるので、本当に難しいです。両者の練習のバランスはまだ探り探りといった感じです」

ーー2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、様々な活動の制限が余儀なくされました。今回の未曾有の出来事をどのように捉えていますか?
「もちろん世界は大変な状況ですけど、個人的には外に出られない分、あらためて考えを深める良い機会になったと捉えています。ある種、この与えられた時間で次に繋がる何かを得ようと、常にポジティブに考えていました」

ーー明後日には22歳の誕生日を迎えますね(取材日は11月27日)。コロナ禍に見舞われた一年でしたが、2021年はどのような年にしたいですか。
「毎日成長するつもりでこの1年過ごしてきて、時間を無駄にしないでやりきれた21歳だったと思います。自分の成長を感じるのは難しいですけど、この成果を1年後に形として証明したいですね」

※1/20売SWITCH×ユニクロ SWITCH平野選手インタビューページより


平野歩夢
1998年新潟県生まれ。
木下グループ所属。冬季オリンピックのスノーボードハーフパイプ種目で、2大会連続で銀メダルを獲得。2019年のスケートボード日本選手権でも優勝。2018年、ユニクログローバルブランドアンバサダーに就任。




【Staff Credit】
SWITCH 2021年1月号
PHOTOGRAPHY: WAKAGI SHINGO
STYLING: HASEGAWA AKIO
HAIR & MAKE-UP: KENSHIN
COORDINATE: NAGAI KIYOHITO
TEXT:HIRAKI TERUMASA


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