毎シーズン新たなトレンドやコレクションが生まれるファッションの世界において、ともすればそればかりを追いかけ自分らしさを見失ってしまいそうになる中、平野歩夢は自らのファッションに対する確固たる価値観を持っている。時代にとらわれない、揺るがない彼のファッションスタイルを追いかけるフォトストーリー
【着用アイテム】
3Dスフレヤーンクルーネックセーター(長袖)
エクストラファインコットンブロードシャツ(ボタンダウンカラー・長袖)
ワイドフィットジーンズ(丈標準74~77cm)
※その他、スタイリスト私物
INTERVIEW
平野歩夢 自分だけのスタイル
平野歩夢の言動から、彼には自らの揺るぎないスタイル、あるいはそれを追求する姿勢や考え方が既にあるということを常に感じる。それはファッションにおいて、どのように彼の中で作用しているのか。今回は「ファッション」について彼に話を訊いてみた。
「服は小さい頃からずっと好きです。ただ、昔と今で少し変わってきたなと思うのは、昔はお気に入りの服はもったいなく感じてなかなか着ることができなかったけど、最近はそういう気持ちはなくなってきたんです。たとえ汚れたとしても、それがスケートをしている上での“味”となればいいかな、と思えるようになってきました。
今回のアイテムで特に印象に残っているのは、チェックのシャツとジャケットを組み合わせたコーデ。いつも着ているアイテムに近い感じもあって、落ち着きました。浜辺で着たセーターは普段も着てみたいなと思いましたね。ユニクロを着ていて一番感じるのは、カラーバリエーションの豊富さ。基本無地で色がたくさんあるので、組み合わせる楽しみがあるんです。
ファッションは自分自身のスタイルを表現しやすい文化で、自分なりのこだわりを見つけることができれば、より深く自分のスタイルに近づいていける。そういうふうに捉えています。自分の場合は、“どれ”を着るかというよりも、“どう”着るか。形や色、幅を自分なりに考えて組み合わせる楽しさに気づいた時に、自分の中で服の楽しみ方が広がっていったんです。ただ、好みや興味は変わっていくものです。そうなった時にこれまでの形にとらわれず、ファッションのスタイルも生まれ変わり続けていきたいと思っています。」
平野歩夢
1998年新潟県生まれ。TOKIOインカラミ所属。今年の冬季北京オリンピックのスノーボード・ハーフパイプ種目で、金メダルを獲得。2018年、ユニクログローバルブランドアンバサダーに就任。
SWITCH 2022年10月号
【Staff Credit】
PHOTOGRAPHY; WAKAGI SHINGO
STYLING; HASEGAWA AKIO
HAIR & MAKE-UP; KENSHIN
TEXT; HIRAKI TERUMASA