“映画は、私をもう一つの世界に連れて行ってくれるわ。いつもの自分の場所を飛び出した時、私はそこで自分自身を探求することができるの”
BY: Tom Baxter
グイ・ルンメイの女優としてのキャリアが始まったのは20年前。『藍色夏恋』や『言えない秘密』では台湾の高校生を、『薄氷の殺人』では、中国の華北地方に暮らす未亡人を演じるなど、その役柄は幅広い。また、タニア・チュアをはじめとした著名シンガーと共に、ミュージックビデオにも出演する活躍ぶりだ。
女優として、中国をはじめ東アジアを中心に活躍しているグイ・ルンメイだが、驚くことに、彼女の幼い頃の夢は外交官になることだった。知らない場所を訪れたり、旅行が好きな彼女にとって、外交官の仕事はうってつけの職業だと考えていた。しかし、『藍色夏恋』でモン・クーロウ役に抜擢された時に、新しい世界や自分を探求できるという役者の魅力に気づいたのだった。それ以来、演じることに夢中になりながらも、当時17歳のグイにとっては、その後の女優としての道をどう進むべきか不安の方が大きかった。
それから10年以上女優としてキャリアを積んできたグイは、自分にとって演じるということが、癒しや瞑想のようなものに感じられるようになった。それは、彼女自身の内なる部分と向き合う方法でもあり、日々のストレスから解放される場所でもあった。
「私の人生において、演技は切り離すことができないわ。私の人生は、自分自身の演技から影響を受け、その反対に、演技は、私の人生から影響を受けているの」と、彼女は言う。演技をすればするほど、彼女はより穏やかで温かく、落ち着きを得たのだろう。
「私の人生において、演技は切り離すことができないわ。私の人生は、自分自身の演技から影響を受け、その反対に、演技は、私の人生から影響を受けているの」と、彼女は言う。演技をすればするほど、彼女はより穏やかで温かく、落ち着きを得たのだろう。
17歳で女優としてスクリーンデビューを果たして以来、グイの生活は大きく変化した。しかし旅行への情熱は子どもの頃から変わらずに、常に彼女の中にあり続けている。グイは、祖国である台湾の田舎町を探訪すること、そして色々な人の人生を観察することが大好きだ。それは、彼女にとって新しい世界との出会い。そして、彼女は本を読むことや映画を観ることも同じぐらい好きなのだそう。なぜなら、“旅要らずの旅”だからと言う。
そんなあふれる探求心を持ち続けているグイ。彼女が行きついた確固たるファッションのスタイルがある。
「服を着ることは自分を理解することであり、自信を持たせることなの」
「服を着ることは自分を理解することであり、自信を持たせることなの」
「おしゃれをする時の、大事なルールがあるの。服は必ず自分に合っていて、着心地が良いこと」と、グイは語る。とてもシンプルなファッションへの信念は、彼女の生き方にも言えることだ。そんな彼女も高校生の頃は、オーバーサイズのヒップホップスタイルが好きで、台湾近郊の古着屋で服を買っていたことも。「メンズサイズの服を着たりして、フリースタイルのファッションだったわ」と、くすくす笑いながら語る。
「今の私のファッションは、昔と比べてずっとシンプルよ。色も白、グレー、黒がほとんどという飾り気がないスタイル。演技の世界では、着飾ることに膨大な時間を費やしているから、仕事以外の時間に、シンプルで着心地が良い服を着ることが喜びなの」