BY CAROLINE ROUX
- カリーヌ・ロワトフェルド。ファッション界に絶大な影響を与える女性の一人だ。かつてはモデルとして活躍し、その後編集の道に。フランス版『VOGUE』の編集長を経て、現在は自身が立ち上げた『CR Fashion Book』の編集長をはじめ、さまざまなブランドのキャンペーンなどにも携わっている。ユニクロとのコラボレーションは、2016年春夏でセカンドコレクションを迎えた。
そんな世界的に活躍し続ける彼女は、2 人の子どもの母であり、2 歳半の孫の祖母でもある。毎日着る服を選ぶことも家族や友人と過ごす時間も、同じだけ大切。それが、独自の価値観を持つカリーヌ流のスタイル。
- ―カリーヌならではのスタイルとは?
- 膝丈のタイトスカート、体のラインが出るニットや美しいブラウス、タイトフィットのコート、それからハイヒール。ユニフォームとも言うべき私のスタイルね。もう25年間変わっていないわ。ファッションショーに行くのも好きだし、トレンドは常にチェックしているけれど、自分が着るものは変わらない。自分に一番合っていると知っているから。色もだいたい黒かカーキと決まっているし、プリントだとレオパードね。レオパード柄は着る人を皆美しく引き立ててくれるのよ!
- ―若い頃はどんなファッションでしたか?
- 若い頃はどんなファッションにもトライできるし、間違ったっていい。私だって、ミニスカートをはいていた時期があったのだから。今でも覚えているけど、娘のジュリアが14 歳くらいの頃、紫色のアーミーブーツが欲しいと言って、フリーマーケットでやっと見つけたことがあったの。素敵なブーツだったけれど、若い時は好きなファッションに自分を合わせることで精一杯。でも、大切なのはファッションを自分に合わせていくということ。年齢を重ねるにつれて、自分らしいスタイルを見つけていってほしいと思うの。
- ―ユニクロからのオファーについて
- 私独自のスタイルを気に入ったと言って、オファーしてくれたことが嬉しかったわ。そして、私もユニクロの服作りの考えが気に入ったの。ユニクロは、他のブランドの類似品ではなく、高品質なベーシックを作ることにフォーカスしているでしょう。私がスタイリストとしてコーディネートを考える時には、服よりそれを着る女性自身のパーソナリティーをまず先に考えるの。それは、「服が主役ではなく、着る人のライフスタイルを完成させるための服作り」というLifeWearのコンセプトにぴったりと合ったの。服とは、決して制約されることのない、自己表現の形であるべきよ。
- ―毎朝の服選びで、必ずすることは?
- 私が好きなのは飾り気のないスタイル。それはココ・シャネルから学んだわ。彼女のアドバイス「家を出る前に鏡を見て、何かひとつを外しなさい」ということを、私は毎日実践しているの。スタイリングで重要なのは、ニットの丈の長さ、肩のシルエット、ボタンの大きさ。これらに気をつければOK。朝、鏡の前で時間をかけずに済むわ。大量の服は必要ない。自分を気分よくさせてくれる服さえあれば、それで十分よ。それがあれば、他の細かいことなんて気にしなくていいわ。
- “ 大量の服は必要ない。
自分を気分よくさせて
くれる服さえあれば、
それで十分よ” - この日の取材と撮影は、
パリにあるカリーヌのアパートメントで行われた。 - ボートネックセーター ¥3,990
- ペンシルスカート ¥3,990
- ネオレザーコート ¥12,900
- ( すべてCARINE ROITFELD COLLECTION)
- ―今シーズンのコレクションについて
- そうね。スカートに付けたポケットがお気に入りよ。ジーンズをはく時と同じような気分でスカートをはいてもらいたいと思って。ポケットがあると、手を入れられるからいいでしょう? 私はシャイだからよくそうしてしまうの。とても実用的でしょう?
- ―インスピレーションの源とは?
- きっとみんなと同じよ。街を行き交う人々を眺めたりするわ。出張が多いから、空港のラウンジなんかもね。出張は、自分のワードローブを見直す良いきっかけでもあるの。私は手荷物しか持って行かないから、その中にすべて詰め込むの。靴を4 足、コートを2 着……なんてもちろん入らない。ウェッジソールのヒールを持って行きたかったら履いて行くしかないわ!
- ―美容と健康の秘訣は何ですか?
- 年を重ねるとみんな肌のことを気にするけど、多少のシワよりも姿勢の悪さの方が良くないわ。だから私は週に3 ~ 4 回、バレエのレッスンを受けているわ。私の脚はバレエ向きなんですって! でも今朝のレッスンは、疲れていたからキャンセルしちゃったの。だから7 時に起きて、先生にメールを送って謝ったわ。丁寧に対応するのって大切なことよね。きちんとした振る舞いは、女性らしさだと思うから、子どもたちにもそうしつけたわ。常に礼儀正しく、誠実であるようにとね。でもその一方で、好き嫌いも激しいの。完璧主義だから、たまに人を怒らせてしまうこともあるくらい!
CARINE ROITFELD 2016春夏コレクション 特集ページ
http://www.uniqlo.com/jp/store/feature/uq/carineroitfeld/women/