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Notes on Life 「変化するもの」 ヴァレリー・スティール / ニューヨーク州立 ファッション工科大学博物館館長 兼主任キュレーター

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現代のファッションとは異なる、19 世紀の欧米ファッションを象徴するドレス。
(写真提供:ニューヨーク州立ファッション工科大学、ポートレート撮影:Michael Kanakis)



ファッション史の研究を続けてきた私から見ても、この300年間で、私たちを取り巻くファッショントレンドは驚くほど変化しています。トレンドはなぜこんなにも変化するのでしょうか?
業界の戦略だと言う人も多いでしょう。私たちは躍らされ、服を買わされているのだと。でも、トレンドは服だけに限った話ではありません。ファッション業界が確立される以前から存在しているのです。服に限らず、音楽や食べ物、思想、そして人の名前にまでも存在します。
また、トレンドの変化は、あなたがどんな時代を生きているかということに影響されている、と考える人もいます。私の祖父母が若かった頃、生活スタイル自体が現代と違い、着る服そのものが今とは違うものであったため、その仮説も正しいかもしれません。しかし、トレンドの変化は、社会、経済、そして政治の変化によってのみもたらされるわけでもありません。
ファッションデザイナーが生み出す、すばらしいアイディアこそがトレンドだという説明も説得力があります。
ファッション史にその名を刻むデザイナーは、女性の服の在り方に革命をもたらしてきました。しかし、例えどんなに偉大であっても、ファッションデザイナーが服を着る人の価値観までも変えることはできないのです。
デザイナーは新しい服のアイディアを提案してくれるかもしれない。しかし、何を着るかを決めるのは、自分自身です。なぜなら、自分たちの生活が変化していくのだから。それは親と同じ音楽を聴いたり、同じ服を永遠に着続けたりしないのと同じように。これまでの自分自身の過去を振り返ってみるときっとわかるはず。あなた自身が常に変化しているということを。






ヴァレリー・スティール/ Valerie Steele

イェール大学で博士号を取得し、現在はニューヨーク州立ファッション工科大学博物館館長兼主任キュレーターとして、1997 年以降25 以上の展覧会を開催している。著作も多数出版しており、ファッション界における世界最高の権威の一人とされている。



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WEBで全ストーリーがご覧いただけます。是非店頭でも手にとってご覧ください。


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